歯周病について

特に問題となるのが歯肉縁下（歯周ポケット内）の歯垢です。ですから、歯周病の治療法は歯垢中の細菌が歯周組織に害を及ぼさない状態にコントロールすることになります。つまり、これが「プラークコントロール」と呼ばれるものであり、歯周病治療の基本となることです。そして、その方法は歯垢を除去するということが効果的な方法になります。それは古くなった歯垢ほど歯周病菌の割合が多く、新しく付着した歯垢にはその割合が少ないという傾向があるためです。
しかし、どの程度コントロールすればよいかは歯周病に対する感受性の違いにより人それぞれで異なります。したがって、歯周病の治療は歯周組織の状態を診ながら進めていく必要があり、治療方法はひとにより異なってきます。

ここでは、歯周病の進行度が一定レベル以下の場合の非外科療法について説明しておきます。この非外科療法は歯周病症例のほとんどすべてに必要なものです。
方法としては、歯肉縁下（歯周ポケット内）の歯垢の除去と歯肉縁上の歯垢の除去が必要になります。まず、歯肉縁下（歯周ポケット内）の歯垢は超音波スケーラーに精密チップを装着して行う方法が最も効果的とされています。かつては、歯根の表面に付着している歯垢が問題とされていましたが、これまでの研究で、歯周ポケット中に浮遊する歯垢の方がより歯周病原性が強いとされることもあり、歯周ポケット内全体の歯垢除去が必要とされています。そして、歯肉縁上の歯垢の除去はおもに歯ブラシなどで行います。このように、歯肉縁下の歯垢を徹底的に除去した上で、歯ブラシなどでの清掃が十分であれば、歯肉縁下で歯周病菌が増殖することを防ぐことができます。その結果、歯周組織に生じた炎症を消退させる、つまり、歯周病を治すことができるようになります。
しかし、歯周炎がいったん治ったとしても、ブラッシング状態が悪かったりすると、歯周病は簡単に再発してしまいます。そのため、定期健診とメインテナンスが必要となります。また、前述の非外科療法は歯周病の進行が重度の場合、つまり歯周ポケットが５mm以上になるとそれだけでは歯周病を治癒させることができなくなり、歯周外科などの治療が必要になります。

 

治療の流れ

 

よくある質問

①歯周病とは、どんな病気なのですか？

歯周病は、歯ぐきの病気です。
歯周病になると歯ぐきの一部分が赤く腫れたように見えてくる・ちょっと息が臭くなる(口臭)・歯磨き中に歯ぐきから血が出る。などの症状が現れます。
日本人の成人の約80％が歯周病（歯肉炎or歯周炎）にかかっているといわれています。

②タバコって歯周病によくないんですか？

よくありません。
喫煙者は、非喫煙者より治りが悪いことが報告されています。
歯周病だけではなく、体のことを考え禁煙することをお勧めします。

③口臭の原因は歯周病？

口臭の90％の原因は口に中の病気と不潔な事が原因です。
歯周病の方は口の中の清掃状態が悪いことがほとんどで、その点からも口臭の原因の一つと考えられます。

 

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